2013年1月16日水曜日

子の親は誰になるのか?



いつもとは趣は異なりますが、気になったことですので備忘録代わりに記事にします。
たぶん、反発を買うような気もしますが形にしたくなったのです。

とりあえず、現在の私の立場で不妊だと判明した場合、茨道ですが養子を取るということも選択肢に入れます。
私は「子を産みたい」という気持ちよりも「母親になりたい」という気持ちの方が圧倒的に強いです
そのため、配偶者や自分の年齢のことを鑑みて、養子を取るということも視野に入れるだろうと思います。
もちろん、不妊治療で配偶者と自分の子が産めるのでしたら、それが良いと思っています。
ですが、時間的にも金銭的にも厳しいのならそれも諦めることをするんだろうな、とぼんやり考えております。


さてさて。
提供卵子を患者へ仲介…不妊治療医師らがNPO
とうとう始まりましたね。
染色体異常等で卵子に問題がある方には朗報なのでしょう。
第三者の卵子を使用することになりますが、配偶者の精子を使用して妊娠し、出産ができるということは、ずっと自分が原因で赤ちゃんに恵まれなかった方には藁にも縋る試みなのかもしれません。

ただ、この記事を読んでふと疑問が湧きました。

「この生まれてきた赤ちゃんの親は誰になるのだろうか?」

卵子の提供で妊娠・出産を行いますと、子からしましたら見知らぬ方と父親の血が繋がっています。
ですが母親は、
「私がお腹を痛めて産んで育ててきたのだ」
というニュアンスのことを子に伝えるのかもしれません。
そうなると、マジョリティの家庭における生物学的及び育児での両親が側にいることになります。

この記事によりますと「子供が15歳になった時点で希望があれば、住所、氏名などが子供に開示されることをあらかじめ承諾する必要がある」とありますので、子は生物学的な意味での母親の情報を手に入れられることになります。
そして、この場合もしかしたら事前に子に「卵子は別の人から貰ってあなたを産んだのよ」という内容を伝えれば、子は生物学的な意味での母親のことを知ることができます。
ですが、子にそのことを伝えなければマジョリティの家庭の状態だと子は信じ続けるでしょう。
それに、卵子を提供した方が子に会いに来る可能性もゼロではないでしょう。
おそらく、勝手に子に会えないように契約されているでしょうが、それを破る人だっているでしょう。

そして、自分が卵子提供によって産まれた事実を知った子は一体何を思うのでしょうか?

「両親が今まで育ててきてくれたし、なんだかんだで母親が産んでくれたのだから、関係ない」
「母親が産んでくれたけど、本当の母親じゃないんだ。自分はその人の元に行くべきなのか?」
「産んで育ててくれたけど卵子が赤の他人なんだったら、自分の母親は一体誰なんだ?」

これらは私の想像です。
本来ならもっと葛藤もあるでしょうが、このようなケースはあまり考えられなくなっています。
ただ、私の中で言えるのは子が卵子提供に産まれた事実を告げられたら、ショックを受けるということです。
なにせ今までマジョリティの家庭のように思ってきたことが両親によって覆されるのです。
それを思春期に入るぐらいに知らされたら、動揺も大きいでしょう。
というか、私なら荒れますね。
立ち直れるかどうかはわかりませんが。

そして、さらに驚いたのがこの記事です。
提供卵子の仲介団体、初日だけで41人申し込み
既に申し込みが41人もいるんですが…。
コメントで、
「不妊に長く悩んだので気持ちはよく分かる。力になりたい」
とありました。
でもこれ、提供者は自分の卵子で産めたのだから、悩みの意味合いが違うような気がしました。
やはり、卵子を提供された方はこのコメントをされた方のように不妊治療で苦労された方なのでしょうか。
それとも、
「もう、これ以上は子供は自分で育てたくないけど、私の遺伝子が広がるのなら卵子を提供するわ!」
という一見エキセントリックですが、生物学的には合理的な判断を下した方もいるのでしょうか。
とても気になります。

私がこの子の立場なら、卵子提供をした方に会えるかもしれないなら会うかもしれません。
ただ、今まで育ててくれた両親の元に残る可能性が高いですが。
おそらく、卵子提供をされた方にも家庭があるのでしょうから、自分の入り込む隙がなさそうですしね。

また、前述で私がこの立場なら荒れるとありますが、あまりにも悶々とし過ぎて自分という存在を自分自身が受け入れられなくなったら死ぬ子も現れるんじゃないかという危惧は正直あります。
そして、私自身が染色体異常で卵子が異常であった場合、卵子提供を受けても子を産むのかというと、そこまでして産まない可能性が高いという気持ちです。
今まで書いてきた危惧のことが自分では解決できる気がしないからです。
たぶん、私には子にそこまでの業を背負わせることができないと思います。


とりあえずは、この話はもう少し追って行きたいと思います。
倫理面でも気になりますが、何より「子の精神的影響はどうするのさ?」という部分が一番気になりますので。